国連の選考過程で大学名が関係無い4つの理由

未分類

みなさんこんにちは。このブログを読んでいる人の中には今後国連で働いてみたい、という方もいるのではないでしょうか。国連への入り方は残念ながら簡単ではありません。私も大学生のころから憧れを持っていましたが、30代前半にようやく入ることができました。今から振り返ってみると「あの時こうすればよかった」と思うこともあるので、このブログではこれから国連を目指している方の役に立つような情報を発信しています。

今回は国連に就職する上で大学名は関係あるかというトピックで書きたいと思います。結論から言うと、大学名は基本的に関係ありません。「基本的に」というのは、例えばハーバード、オックスフォード等の世界的に有名な大学であれば面接官の注意を引けたり、色眼鏡で競合相手に比べて有利に評価されたりする可能性が若干あるためです。また、一点気を付けて欲しいのが、自分の大学がWorld Higher Education Database (WHED)に記載されているか確認しましょう。このサイトはUNESCOと連携し、世界の20,000以上の公的に認定された/認知されている高等教育機関をデータベース上に登録しています。これに登録されていない大学は学位として認められないケースもあります。とはいえ、日本の大学ならば大体登録されているのであまり心配はいりません。

それでは、何故国連に就職する上で大学名は関係ないのか見て行きましょう。5回程国連で面接担当を務めた私の経験からお話しします。

システマティックに大学のレベルを判断する基準が無い

国連の選考過程は透明性がとても重視されます。面接評価は事前に用意された評価シートに沿って行われ、ショートリストや面接には複数人のスタッフが審査員として参加します。意思決定過程は面接担当者の署名と共に記録されます。こうした背景で大学名で優劣を付けるには、大学名と点数を示す表が必要です(A大学なら5点、B大学なら3点 等)。しかし、そういった表は国連にはありません。

そもそも日本の大学について面接官は知らない

インターナショナルのポストには世界中から応募があり、一件のポストに150件以上の応募があるのは珍しいことではありません。また、国連は多国籍な組織なので面接担当者は日本人ではありません。ですので、彼らは早慶上智、日東駒専など日本の大学名を聞いても優劣を判断することはできないのです。知らないですから。

面接担当に世界中の大学のランクに精通している人はいない

また、仮にものすごい偶然で面接担当者が日本人で、あなたの出身大学がどれくらいの知名度なのか分かったとします。ですが、その判断を日本人の応募者のみに適用すると不公平です。公平にするには日本だけでなく応募者全ての国々の大学事情に精通していないといけませんが、そんな人が面接担当になることはあり得ません。面接担当は通常3-4人のInterview panelが担当し、このパネルは人事担当(司会進行役)、募集しているポストの直属の上司にあたる人、募集しているポストの職種に精通している別の部署のスタッフ等で構成されます。ですので、世界中の大学に詳しい人はまずいませんし、上述した様に大学のランクをシステマティックに区分するツールもありません。

面接で重視されるのは学位と専攻だから

面接の学歴で重視されるのは学位と専攻です。国際スタッフのポストでは基本的に関連分野の修士号以上の学位が求められます。例えば「政策アナリスト」のポストでは関連する学位は政治学、国際関係学、経済学等であれば基準を満たしていると考えられますが、理工学部、英文学部 等の応募者は基準を満たしていないため弾かれる可能性が高いでしょう。国連の選考ではロングリスティングやショートリスティングをソフトウェアで行う場合もあるので、自動的に弾かれる可能性もあります。

今回の記事は以上です。国連を目指す方は出身大学は心配せず、且つ出身大学に胡坐をかかず挑戦してもらえたらと思います。本記事が将来国連での勤務を目指す皆さんの役に立てば幸いです。国連に関する記事のリクエストがあればぜひ教えて下さいね。

 

タイトルとURLをコピーしました