プライマリーコースの応募のコツとアドバイス(面接編2: CBIと効果的な回答方法)

プライマリーコース

みなさんこんにちは。このブログを読んでいる人の中には今後国連で働いてみたい、という方もいるのではないでしょうか。国連への入り方は残念ながら簡単ではありません。私も大学生のころから憧れを持っていましたが、30代前半にようやく入ることができました。今から振り返ってみると「あの時こうすればよかった」と思うこともあるので、これから国連を目指している方の役に立てれば嬉しいです。

前回に引き続き、外務省が実施する平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業のプライマリーコースの面接についてコツとアドバイスをまとめたいと思います。面接は準備の有無でかなりパフォーマンスが変わってくるので、しっかりと準備をして臨んで下さいね。前回の記事で面接試験の概要と質問される可能性のある項目をまとめました。今回は国連の面接で用いられるCompetency Based Interview (CBI)と効果的な回答方法についてまとめたいと思います。

CBIはこれまでの自身の職務経験に基づいた回答が求められる試験で、実際にその業務経験が無いと回答が困難な質問です。また、準備せずその場で対応すると、良い例を出せなかったり、ベストでない例を出してしまう可能性があるので、事前に山を張っておく(想定問答集を準備しておく)ことが大切です。CBIの例を挙げると、

「本ポストでは地方政府との調整が重要な業務の1つです。①これまでにあなたが実際にこなした途上国の地方政府との調整業務で最も難しかった経験を教えてください。②何が難しく、あなたはどのようにそれを処理しましたか?③そこからの学びを教えてください。④また、次回同様の業務に直面した際、その学びを踏まえてどのように対処しますか?」といった感じの質問です。①から④まで全てセットで質問されることは稀ですが、念のため全て答えられるようにしておくと良いでしょう。

CBIの回答方法でおすすめなモデルがSTARです。STARは、Situation, Task, Action, Resultの略で、これに沿った形で回答すると面接官に効果的にアピールすることができます。例えば、

「私が国際NGOで××国で2018年から20年までプロジェクトマネージャーとして難民キャンプでWASHの支援に携わった経験をシェアさせて下さい(situation)。当時の私のポジションでは〇〇州政府の難民事案担当部署との調整が重要な業務の一つでしたが、最も大変だったのが、難民キャンプに使用済みリサイクル石鹸を導入した時の調整でした (task)。××国ではリサイクル石鹸の難民キャンプへの導入は前例がなく、主に衛生面で州政府からの懸念があり当初は承認を貰えませんでした。そこで、海外の難民キャンプの事例を紹介したり、州政府の担当者に同席してもらう形で難民の代表者との話し合いの場を設け、意見の聞き取りを行い、最終的には3ヵ月のパイロット活動として実施することとし(action)、州政府からの合意を得ました。その結果、難民が利用できる石鹸が約2倍に増え、衛生状況の改善に貢献しました(result)。そこからの学びは、州政府を巻き込んだ活動をすること、受益者の意見を取り入れ共に活動を計画することです。当時は様々な人と相談しこうしたアクションを取ったので時間がかかりましたが、次回はもっと早くこれらの行動を取ろうと思います。また、こうしたイノベーティヴな取り組みに協力してくれた州政府を巻き込んでGood practiceの事例として拡散したいと思います。」

といった感じです。この例は私の経験を基に作ったのですが、回答を書くのに10分程度かかりましたし、始めは別の例で書こうと思いましたが後から思い直して変更しました。面接本番では数秒で回答をまとめなければならないので、良い例を出せるように事前に想定問答を準備しておくことは大事です今回の記事は以上です。本記事が皆さんの役に立てば幸いです!

 

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