国連でインターンシップをしよう

一般

みなさんこんにちは。このブログを読んでいる人の中には今後国連で働いてみたい、という方もいるのではないでしょうか。国連への入り方は残念ながら簡単ではありません。私も大学生のころから憧れを持っていましたが、30代前半にようやく入ることができました。今から振り返ってみると「あの時こうすればよかった」と思うこともあるので、このブログではこれから国連を目指している方の役に立つような情報を発信しています。

今回は国連でのインターンシップについて書きたいと思います。インターンシップは勤務経験が求められる国連の中で学生でも狙えるポジションです。多くの利点があるので今後国際協力の分野で活躍したい学生の皆さんにおすすめです。

A. 国連でのインターンシップのメリット

   1) 内部に入らないと分かりにくい国連の組織文化を知ることができる

   2) 国連の業務に従事することを通して、仕事内容を具体的に理解できる

   3) 緊急支援、開発の最新の現場で働くことでトレンドを理解できる

   4) 良い点、悪い点両方が見え、国連の実情が理解できる

   5) 今後につながるネットワーキングができる

   6) 今後の就活に活かせる

B. インターンを募集している国際機関について

20以上の国際機関が国内外でインターンを随時募集しており、中には有給の案件もあります。外務省 国際機関人事センターのHPに国際機関別のインターン情報がまとめられているので、検索してみましょう。資格要件では学部生も応募できますが、実際に競争を勝ち抜いてポジションを取れるのは大学院生が多いようです。業務内容はポジションごとに違いますが、資料準備、議事録作成、文献レビュー、ロジ、イベント準備、広報のサポート等が多いようです。フィールド事務所の案件の場合はフィールド調査などに連れて行ってもらえるかもしれません。

C. インターンシップ獲得に向けて準備したいこと

1) ボランティア、インターン、アルバイトをして経験をアピールできるようにしておく

沢山の応募者を抑えてポジションを勝ち取るためには学生であってもアピールできる経験が必要です。この経験があるのでインターンのポジションの仕事が人よりも上手くできる!と説明できるよう積極的に経験を積みましょう。そのためには単発の案件よりは長期の案件がおススメです。NGO、JICA等でインターンや学生アルバイトを募集しているのでチャンスを探しましょう。JICA Partnerで探すとインターンの求人が沢山検索できます。

2) 国際協力団体のイベントに参加する

1の事前準備として、NGOや国連、JICAのイベントに参加することでどんなことをやっているのか、どのような団体が自分にとって興味があるのかが見えてきます。学生時代の貴重な時間を使ってインターンをするわけですからインターン先を選ぶのは重要です。これもJICA Partnerで様々なイベント情報を検索できるので積極的に参加しましょう。また、1の事前準備という意味では単発のボランティアに参加することもおススメです。参加したボランティアのリストを作ってアピールできるようにしましょう。

3) 英語力をつける

駐日事務所を除いて国連でのインターンは基本的に日本人はいないと思っておいた方が良いでしょう。ですので同僚や上司とのコミュニケーションや、業務を進める上での英語力は必須です。具体的な指標はありませんが、外務省の平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業のプライマリーコースで求められる英語力がTOEFL iBT 90点/ IELTS 6.5/ TOEIC 900点なので、これを目指して勉強することをお勧めします。英語でのコミュニケーション能力を高めるという意味や、英語「で」学ぶという意味で留学をして力を付けるのも良いでしょう。

4) 応募書類を事前に準備しておく

インターンシップ案件によって応募書類は異なりますが、CVや職務経歴書は事前に準備できるので、じっくりと時間をかけて良いものを準備しておきましょう。スペルミス、文法ミスや表現に不自然な点が無いようにネイティブチェックを受けましょう。

5) 渡航費、生活資金の確保

大半の学生はインターン中の半年程度の生活費、渡航費等資金を確保する必要があります。最近は有給のインターンや渡航費支給の案件もありますが、インターンの自己負担とする案件も多いです。良い条件の求人はそれだけ倍率も高くなります。資金を確保してあればこうした自己負担案件にも応募できる(資金力が無い人に勝てる)ので立派な事前準備と言えるでしょう。アルバイト、家族の支援等で賄う方法も良いですが、おすすめはインターンシップに挑戦する学生向けの給付金です。自分の所属大学に奨学金があるか確認するとともに、文部科学省主催のトビタテ!留学JAPANのインターンシップを対象としたスキームを活用しましょう。休学ラボ様にインターンシップで利用できる奨学金の記事があり参考になります。

D. 実際の案件例

最後に実際の案件例を見てみましょう。

1) アジア大洋州地域Blue Economyのインターン(有給)

 受入機関:UNDP(国連開発計画)

 勤務地:自宅勤務

 期間:6ヵ月

 職務内容

   ①アジア大洋州地域のBlue economy及び持続的ファイナンスに関するリサーチ

   ②アジア大洋州地域のBlue Economy関連プロジェクトの実施サポート

   ③Blue Economyに関するパートナー国政府への能力構築のニーズ調査のサポート

   ④アジア大洋州地域、カリブ海地域、インド洋地域、東シナ海地域、大西洋地域間のナレッジ・ 

   シェアリングのサポート

   ⑤関連するワークショップ、研修の準備、運営サポート

   ⑥ブログ、プレゼン資料作成等の広報サポート

2) 政治分野のインターン(無給)

 受入機関:DPO (国連平和活動局)

 勤務地:ジュネーブ

 期間:12ヵ月

 職務内容

           ①国連地雷対策サービス部(UNMAS)の業務に関連したリサーチ

           ②地雷・兵器分野の国際協定に関連した業務のサポート

           ③地雷・兵器分野の政策に関連したサポート              

    ④関連する会議への参加と同僚へのブリーフィング

           ⑤地雷関連の組織間ワーキンググループ業務のサポート

           ⑥人道支援コミュニティとの連携サポート

今回の記事は以上です。国連でのインターンシップは内部が見えにくい国際機関を理解する絶好の機会です。ポスト獲得までの競争は激しいですが得るものも多いので準備をして是非狙ってみましょう。インターンの体験談は国連フォーラムのサイトで読むことができます。本記事が将来国連での勤務を目指す皆さんの役に立てば幸いです!国連に関する記事のリクエストがあればぜひ教えて下さいね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました