プライマリーコースの応募のコツとアドバイス(書類編1: 申込書)

プライマリーコース

みなさんこんにちは。このブログを読んでいる人の中には今後国連で働いてみたい、という方もいるのではないでしょうか。国連への入り方は残念ながら簡単ではありません。私も大学生のころから憧れを持っていましたが、30代前半にようやく入ることができました。今から振り返ってみると「あの時こうすればよかった」と思うこともあるので、これから国連を目指している方の役に立てれば嬉しいです。

さて、今回は外務省が実施する平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業のプライマリーコースの応募書類作成のコツとアドバイスをまとめたいと思います。書類で重要になり、且つ申し込み前の短期間で対策ができるのが1)申込書と2)平和構築・開発分野における具体的なキャリアプランに関するエッセイです。本記事では申込書に焦点を当てたいと思います。

申込書はHPCのホームページからダウンロードできます(ホーム>研修コース>募集要項)。申込書をお手元にご用意の上、以下をご確認ください。

1-9までは特に問題なく記入できると思います。重要になってくるのが、以下の質問への回答です。

10. What is the specific reason for which you wish to participate in the Primary Course?

11. What do you most strongly expect to gain from the Primary Course?

ここではプライマリーコースの趣旨、研修内容(国内&海外)をよく理解していることをアピールしつつ、自身のこれまでのキャリアと今後の展望を合わせて書くようにしました。

12. Preferred field of work

A. What is your area of expertise?

B. What kind of expertise do you wish to develop in the future, if any?

C. What is the agency(ies)/sector for which you wish to work in the future, if any?

D. Preference(s) of agency and field of work for the Overseas Assignment

この質問への回答では一貫性が重要になってきます。例えばAとBの回答では自身の学歴、職歴と照らし合わせ、筋が通っている回答をすることがおススメです。CとDも同様です。

また、Dでは海外派遣で希望する国際機関との接点を記載できる箇所があるので、過去にインターン経験等がある人はアピールするチャンスです。私の場合は当時直接国連で働いたことはありませんでしたが、勤務していたNGOの業務の一環でUNHCRとの調整会議等で接点があったので、そうしたことを記入したと思います。

13. Knowledge of languages

英語は必須なので必ず全てEasilyにチェックできるように力を付けておいて下さい。ここで一つでもNot Easilyにチェックを付けると合格は厳しいでしょう。他に国連公用語ができると有利で、国連での需要は特にフランス語です。

14. Education

“Degree and academic distinctions obtained” の箇所はMerit, Distinction, Cum Laude, Magna/Summa Cum Laudeなど卒業時に付いていたら併せて記載してください。また、”Main Course of Study”は単に専攻を記載するだけでなく、併せて自身が特に注力した分野で上記10,11,12の回答と関連のある授業名を書くのも有効です “Conflict Resolutions with specific focus on Conflict Analysis, Monitoring and Evaluation and Project Management”等。

17. Employment

これも非常に重要な項目です。これは国連で広く使われている職務経歴書(P11)とほぼ同じフォーマットです。現職に関しては現在形、過去の職歴に関しては過去形で書きます。管理した部下の人数は、国連の場合は自分で直接管理・評定を付けた部下の人数を書くのが一般的です。人数だけではなく部下のポジション名等書くのもありです。さて、最も大事になるのが職務に関する記述(Description of your duties)です。ここは時間をかけて過去の業務、成果を分かりやすく箇条書きで記載します。長くなり場合は必ずしも全て記載する必要は無く、応募するポジション(今回であればプライマリーコースの趣旨と、自身が海外研修で行きたい国際機関、今後追求していきたいキャリア(申込書の12番の質問)等)を念頭に、取捨選択しアピールします。P11では先ずは業務を箇条書きに羅列し、その後で”Achievements”の項目をつけて自身の功績をアピールするのが一般的です。こうした業務上の成果は普段からメモを取っておくことがおすすめです。記録が無い場合は場合は少し時間をとってブレストをしてみると良いですよ。

18. References

レファレンスを選ぶ際は、常に同じ人を選ぶのではなく、応募の際のポジションに沿った内容で記入します。例えば、ある国の政府との交渉、調整がメインのポジションの場合その省庁の人をレファレンスに記入できるとコネクションがあることのアピールになります。そこまで上手く書けることは稀ですが、プライマリーコース応募の際はその趣旨、自身の進路希望に合致する人を選ぶのがおすすめです。

以上、申込書の記入の上で私が大事だと思うポイントをまとめました。申込書は書類審査の際に最も参考にされる書類です。「見せ方」が重要になってきますし、経歴や語学力と違い、短期間で質を上げることができます。応募される方は時間をかけて強い書類を作成して合格率を上げましょう。本記事がプライマリーコース合格を目指すみなさまの役にたてば幸いです。

 

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